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大学受験で意外とかかる受験料・交通費・併願コスト

この記事の要点

  • 私立は1出願あたり3万円台が基本。だが学部違い・方式違いで「1校=2〜3出願」になり、ここで合計が膨らむ。受験料そのものより「出願数の数え方」を間違えると予算が崩れる。
  • 本当の伏兵は交通費と宿泊費。地方から都市部へ何度も通えば、移動・宿泊だけで受験料の合計を超える。地方試験会場を使えるかどうかで、数万円単位で変わる。
  • 出費は12〜3月に集中し、しかも全部「合格前の先払い」。月々のやりくりでは吸収できない。カード枠不足で出願が止まる事故が実際に起きる。
  • 併願は多いほど安心、ではない。受験料・移動・本人の体力を食う。「受かりやすさ」ではなく「試験日・会場・発表日・手続締切」を一覧化して絞るのが正解。
  • 最大の現金は受験料ではなく、滑り止めの入学手続金。本命の発表を待つために数十万円を捨てる場面がある。発表日と締切日の前後関係を先に並べれば、この出血は最小化できる。
受験期に動く現金で最も大きいのは、受験料ではない。滑り止めの入学手続金(入学金)だ。

家計が削られるのは「合格後」ではなく「出願段階」

大学受験のお金、と聞いて入学金や授業料を思い浮かべたなら、危ない順番で考えている。家計が最初に削られるのは合格後ではない。出願から受験当日にかけての数か月だ。受験料、会場までの交通費、前泊するなら宿泊費。そしてこれらは全部、合格通知が届く前に引き落とされる。

怖いのは金額より構造のほうだ。結果が出る前に、複数校分が次々と先払いで消えていく。第一志望が固まらないまま「念のため」で併願を足していくと、当初の見積もりの倍になっているのはよくある話だ。本人の安心のためのつもりが、家計の不安に変わる。この記事では、合格発表より前に実際いくら動くのかを併願数別に見通し、慌てないための段取りを示す。

以下の金額は2024〜2025年時点で広く見られる水準の目安。受験料も手続金も大学・方式・年度で変わり、改定もある。出願前に必ず各大学の募集要項で確認してほしい。

進路別・子ども1人の教育費総額(幼稚園〜大学・目安)
総額(万円)05001,0001,5002,0002,500約820万円すべて公立(大学含む)約1,300万円公立中心(高校〜私立)約2,200万円私立中心(文系)約2,500万円私立中心(理系を含む)

※文部科学省「子供の学習費調査」等の公的調査をもとにした概算目安。学校・地域・習い事で変動します。

受験料の相場と、ほぼ全員が見落とす「上乗せ」

まず素の相場を押さえる。方式で幅がある。

区分1出願あたりの目安補足
大学入学共通テスト2教科以下:約1.2万円 / 3教科以上:約1.8万円受験科目数で決まる
国公立大 二次試験(個別)1校あたり約1.7万円前期・後期で別々に必要
私立大 一般選抜1学部・1方式あたり約3.0〜3.5万円件数がいちばん増える区分
私立大 共通テスト利用方式1出願あたり約1.5〜2.0万円一般方式より安い。併用割引のある大学も
医・歯・薬学部など1校あたり約4.0〜6.0万円他学部より高めの設定が多い

ここで多くの家庭が予算を外す原因が一つある。「1校=1出願」ではないことだ。同じ大学でも、複数の学部、複数の方式に出せば、その都度受験料が要る。「A大学を受ける」と言っても、学部違い・方式違いで2〜3出願になるのは普通だ。「3校受ける」つもりが、実際は7出願ぶん払っていた、という落差はここから生まれる。

逆に、削れる仕組みも用意されている。同一大学で複数学部・複数日程をまとめて出願すると2出願目以降を割引する大学、一般方式と共通テスト利用方式の併用割引を設ける大学がある。出願校が見えてきたら、各大学の割引を要項で確認するだけで合計が数万円動く。やらない手はない。

交通費・宿泊費——受験料と並ぶ「もう一つの本体」

受験料の表を眺めると全体像をつかんだ気になるが、地方在住の家庭ほど現実は違う。移動と宿泊が受験料と肩を並べる、あるいは超える。とくにこの三つが効く。

  • 地方から都市部の大学を受ける:新幹線か飛行機の往復に加え、朝一の試験なら前泊がほぼ必須。
  • 試験日が連日にわたる:連泊が積み上がる。受験シーズンは大学周辺のホテルが秋には埋まり始める。
  • 保護者が付き添う:交通費も宿泊費も、単純に2人分になる。

地方から都市部へ1泊2日で1回受ければ、往復交通費と宿泊で数万円はかかる。これを2〜3校繰り返せば、移動・宿泊だけで受験料の合計を抜く。受験料の表しか見ていなかった家庭が、2月に入って真っ青になる典型がこれだ。

削る手は明確にある。優先順位はこの順だ。

  • まず地方試験会場を探す:私立の多くは主要都市に地方会場を持つ。自宅から通える会場で受けられれば、宿泊費はまるごとゼロ。会場ごとに定員や追加料金の有無が違うので要項で確認する。これが一番効く。
  • 同じ都市の併願を近い日程で固める:1回の滞在で複数校を片付ければ、往復回数そのものが減る。
  • 宿は早く押さえる:出願が固まる前でも、有力日程は無料キャンセル可のプランで仮押さえしておく。直前は値段も跳ね、空室も消える。

併願数別・合格前に動くお金

併願数で合格前の総額がどう変わるか。一般的な水準を使ったイメージとして、受験料を軸に並べる(交通・宿泊は差が大きいので別枠で後述)。

パターン出願の例受験料の合計目安
少なめ(堅実型)共通テスト+国公立1校+私立2出願およそ10万円前後
標準(併願あり)共通テスト+国公立1校+私立5〜6出願およそ18〜22万円
多め(私立中心・手厚く)共通テスト+私立8〜10出願およそ25〜35万円

ここに交通費・宿泊費が乗る。自宅圏でほぼ完結するなら上乗せは小さい。だが遠方受験や前泊が複数回になるとさらに数万〜十数万円。表の数字を「最低ライン」と読んでおくくらいでちょうどいい。

そして本命を一つ。受験期に動く現金で最も大きいのは、受験料ではない。滑り止めの入学手続金(入学金)だ。本命の合格発表より前に、滑り止め校の入学手続締切が来ることがある。本命を待つために滑り止めの入学金を一旦納めると、本命に進む場合その数十万円は戻らないのが普通だ。これは無駄遣いではなく「進路の保険料」だが、保険料としては高い。だから前もって、出願校の合格発表日と入学手続締切日の前後関係を一本の時系列に並べておく。締切のほうが先に来る組み合わせさえ把握できれば、この二重払いはかなり避けられる。並べないまま当日を迎えるのが、いちばん高くつく。

「いつ・どう払うか」を金額より先に決める

総額だけ見ていると足をすくわれる。支払いの時期と方法のほうが、現場では効いてくる。受験関連の出費は、年明け前後の出願開始から二次・入学手続が終わるまで、おおむね12〜3月の3〜4か月に圧縮される。短期間に山が来るので、毎月のやりくりでは吸収しきれない。ボーナスをあてにするなら、その入金日と出願締切の前後も見ておく。

支払い方法はもっと地味に危ない。受験料はクレジットカード・コンビニ・ペイジーが一般的だが、出願が立て込む数日に複数校分をカードで払うと、利用限度額に当たって決済が通らない。出願締切は1分も待ってくれない。枠不足で第一志望に出せなかった、では洒落にならない。出願シーズンに入る前に、この4つを順に片付けておく。

  1. カードの利用可能枠を確認し、足りなければ一時増枠を申請する。増枠審査にも日数がかかる。ピーク前に終わらせる。
  2. 受験用の予算を別口座にまとめる。受験料・交通宿泊・入学手続金の3項目を分けて見積もると、どこに山が来るかが見える。
  3. 合格発表日と入学手続締切日を一覧化する。先払いが要るタイミングを目で確認できる形にする。
  4. 領収書・受験番号・支払い控えを一元管理する。複数校分が交錯するので、家族で共有できる場所に集約する。払い忘れ・払い過ぎの両方を防げる。
受験料・交通宿泊・入学手続金を分けて見積もると、家計のどこに負担が集中するかが見える。教育資金全体の見通しを立てたい段階なら、無料診断で現状を整理するのも手だ。
出願書類と支払い控えを仕分ける手元
出願書類と支払い控えを仕分ける手元

後悔しない併願プランの組み方

はっきり言う。併願は数を増やすほど安心、ではない。出費と移動、そして当日の本人の体力を食うだけの「受けない併願」は、足を引っ張る。意味のある併願に絞るほうが、結果として良い受験になる。コストを織り込んだ手順はこうだ。

  1. 志望校を「本命・実力相応・安全」に分け、各層を何校受けるか方針を先に決める。数の上限を最初に縛る。
  2. 各校の「学部・方式・試験日・会場・出願締切・合格発表日・手続締切」を一枚の表に書き出す。受験料も併記する。これが全ての土台になる。
  3. 試験日や会場が近接しているものを探し、1回の遠征でまとめられる組み合わせを優先する。
  4. 共通テスト利用方式で代えられる併願は積極的に使う。一般方式より安く、当日の移動もいらない。
  5. 同一大学の割引制度を確認し、まとめ出願で下げられる分は下げる。
  6. 最後に受験料・交通宿泊・手続金の合計を出し、許容範囲を超えるなら外せる併願を切る。「念のため」で残した一校が、たいてい一番要らない。

大学受験の費用は、合格後の学費が本番だ。だがその手前で合格前に数十万円規模が先に動くのが、この時期の正体だ。覚えておくべきは金額ではなく構造——「先払い」「時期が3〜4か月に集中」「結果が出る前に保険として払う場面がある」。この三つを先に一覧化しておけば、出願が始まっても落ち着いて判断できる。親が慌てない家ほど、子は試験に集中できる。

本記事は2024〜2025年時点の一般的な内容です。受験料・手続金・割引制度・税や手続きの最新情報は、各大学の公式情報や専門家にご確認ください。

出願シーズン前にやることチェックリスト

  • 「1校」ではなく「学部・方式ごとの出願数」で受験料を数え直す
  • 同一大学のまとめ出願割引・共通テスト利用方式の併用割引を要項で確認する
  • 地方試験会場の有無を調べ、使えるなら宿泊費をゼロにする
  • カードの利用可能枠を確認し、足りなければピーク前に一時増枠を申請する
  • 各校の合格発表日と入学手続締切日を一本の時系列に並べる
  • 受験料・交通宿泊・入学手続金の3項目に分けて予算を見積もる

よくある質問

大学受験の受験料は1校あたりいくらかかりますか

一般に、国公立大学の二次試験は1校1万7千円程度、私立大学の一般選抜は1学部3万円台が目安とされます。大学入学共通テストは受験教科数で料金が分かれます。学部・方式により異なるため、最新の金額は各大学および大学入試センターの公式情報でご確認ください。

併願校が増えると総額はどのくらいになりますか

受験料は出願ごとに発生するため、私立を複数校・複数学部併願すると、受験料だけで十数万円から数十万円に達することも珍しくありません。これに交通費・宿泊費・入学手続時の納付金が加わります。実際の負担は併願数と方式の組み合わせで大きく変わります。

受験料以外に見落としやすい費用は何ですか

一般に見落とされやすいのは、遠方受験の交通費・宿泊費、入学を辞退しても返還されない場合がある入学金、模試や出願書類の郵送料などです。とりわけ入学金は、本命校の合格発表前に併願校へ納める必要が生じる点に注意が必要とされます。

受験費用の負担を抑える方法はありますか

同一大学内で複数学部を併願する際の割引制度、共通テスト利用入試、オンライン出願の割引などが設けられる場合があります。早割宿泊や交通機関の手配で実費を抑える工夫も有効です。制度の有無や条件は大学ごとに異なるため、募集要項でご確認ください。

本記事は一般的な情報提供であり、個別の法務・税務・投資・医療上の助言ではありません。税率・控除・限度額・助成などの制度は改正により変わります。最新かつ正確な情報は公式機関の発表や専門家へのご確認をお願いします。

文・編集/世帯白書 編集部 ・ 監修:準備中(公開時に有資格者を明記します)

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