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教育費の貯め方、学資保険とNISAをどう使い分ける

この記事の要点

  • 狙う山はひとつ。日常の習い事や塾代は家計で吸収し、本気で積むのは「大学の初年度に一気に出ていくまとまり」だけに絞る。
  • 学資保険は「絶対に減らさず、親に何かあっても自動で続く」保険。NISAは「18歳までの時間を使って増やす器」。性格が逆だから、両方持つのが正解。
  • 共働きの武器は入金力。意志ではなく仕組みで、給料日に天引きで自動化する。「余ったら貯める」は一生貯まらない。
  • 使う日が決まっている金は、進学の2〜3年前から増やす分を現金へ寄せていく。直前に相場が3割下がっても泣かないための保険。
  • 制度の数値は改正で動く。最新は公式情報や専門家で確認を。
絶対に減らせない土台は学資保険と現金で。時間をかけて育てたい上乗せはNISAで。競合じゃない。守りと攻めの分担だ。

不安の正体は「総額が見えないこと」

教育費が怖いのは、金額が大きいからではない。いくら要るのか誰も教えてくれないからだ。だからまず、お金を二種類に割る。

ひとつは毎月の生活費に溶けていく日常分。習い事、学用品、塾。これは月々の家計でさばく。計画的に貯める対象じゃない。本当に身構えるべきは、もうひとつの大学進学費用。子ども一人につき一回、ドカンと来る山だ。ここだけを目標に据えると、設計は一気に単純になる。

金額は進路で大きく振れる。あくまで傾向だが、順番にするとこうなる。

進路費用感(重い順ではなく軽い順)
国公立・自宅通学もっとも軽い。ここが下限
私立文系・自宅通学中くらい
私立理系・自宅通学学費が一段上がる
下宿・一人暮らし家賃と生活費が丸ごと乗る。ここが一番重い

厄介なのは入学初年度だ。受験料、入学金、教科書、地方なら引っ越しと家具一式が同じ春に重なる。月々の積立がいくら順調でも、この一回の山で家計は揺れる。だから今から1円単位の精密な見積もりを追いかけても意味は薄い。「子ども一人につき、18歳までにまとまった一山」と決めて、そこから逆算した月額を淡々と積む。これでいい。正確な学費は進学先候補の公式情報で当たればいい。

積立の複利イメージ(元本と運用益の積み上がり)
評価額(万円)前提:毎月3万円・年4%で試算03006009001,20005101520積立年数(年)元本 720万円運用益込み 約1100万円元本(積み立てた額)運用益(複利で増えた分)

※年率4%はあくまで試算上の仮定です。運用成果は変動し、元本割れの可能性もあります。

学資保険とNISA、どっちかではなく両方

「学資保険かNISAか」で何ヶ月も悩む人がいるが、これは二択ではない。役割がまるで違う道具を、無理やり一本に絞ろうとしているから決まらないだけだ。

学資保険NISA(つみたて投資)
役割守る。確実に着地させる攻める。時間で増やす
受取額契約時にほぼ確定相場次第で増減
値動き動かない動く。短期なら元本割れもある
親に万一以後の保険料が免除され準備が続く商品がある保障はゼロ
引き出し途中解約で元本割れの恐れいつでも比較的自由

学資保険の値打ちは増えることではない。契約した瞬間に18年後の金額が見える安心と、親が倒れても準備が止まらない保障、この二点に尽きる。逆に言えば、いまの低金利で大きく増える力はない。途中で解約すれば払い込んだ額を割ることもある。増やす道具と勘違いして入ると後悔する。

NISAは、18年という時間を使って世界経済の成長に乗る器だ。運用益にかかる税が一定の枠内で非課税になるぶん、長く積むほど効いてくる。ただし増える保証はない。使う2年前のお金を、株式の値動きにさらしたまま放置するのは無謀だ。

絶対に減らせない土台は学資保険と現金で。時間をかけて育てたい上乗せはNISAで。競合じゃない。守りと攻めの分担だ。

NISAの非課税枠も学資保険の税の扱いも、改正でちょくちょく変わる。ここでは2024〜2025年時点の一般的な制度を前提にしている。最新は必ず公式情報か専門家で確認してほしい。

共働きは「仕組み」で勝つ

共働き世帯の強みは、収入が二本あること、つまり入金力だ。弱点は時間がないこと。だから人力で頑張る設計は最初から捨てて、全部自動に寄せる。順番はこの4つ。

1. 使う日から逆算する

ゴールは「18歳の春に、まとまった一山が口座にある」状態。いまの子どもの年齢を引けば、残り年数が出る。残り年数が出れば、月いくら積めばいいかも出る。年数が長いほど、攻める余地は広い。0歳ならNISAを厚くできるし、すでに中学生なら守りを厚くするしかない。スタート年齢で配分は変わる。

2. 「守る分」と「増やす分」を割る

全額を一本に寄せない。たとえばこれだけは絶対に要る土台は学資保険と預貯金で固める。上振れを狙う上乗せはNISAに回す。土台が崩れない安心と、増える期待を、同時に握る発想だ。割合に唯一解はないが、迷うなら土台を先に確保してから攻める。順番を逆にしない。

3. 給料日に天引きする

給与が入った瞬間に別口座へ自動で動かす。自動積立を組む。「余ったら貯める」では永遠に余らない。「先に抜く」に変えれば、意志の強さは要らなくなる。家計を見る時間がない共働きほど、ここの効きは大きい。

4. 直前2〜3年で守りに寄せる

使う時期が近づいたら、増やす分を少しずつ現金や値動きの小さい置き場へ移す。進学直前にリーマン級の下げが来ても、入学金が払えなくなる事態を避けるためだ。「育てる時期」と「守る時期」は別物。使う日が決まった金は、最後はかならず守りに着地させる。

教育費の配分を考える机上
教育費の配分を考える机上

配分に迷ったら、この二つで決める

守りと攻めをどんな比率にするか。判断の軸は二つだけだ。このお金が一時的に減っても眠れるかという腹の据わり具合と、残り年数。年数が長く、多少の含み損に動じないなら攻めを増やす。年数が短い、あるいは値動きで胃が痛くなるなら守りを厚くする。これで十分整理がつく。

もちろん住宅ローンや老後資金とのバランスでも答えは動く。教育費だけ切り出して最適化しても、家計全体が傾けば意味がない。配分に迷うなら、家計を丸ごと俯瞰してから決めるのが安全だ。自分の状況で方針を整理したいなら、無料診断から始めるといい。

本記事は一般的な情報で、特定の金融商品や運用方針を勧めるものではない。税・保険・運用の数値は2024〜2025年時点の一般的な内容。最新は公式情報や、ファイナンシャル・プランナー等の専門家で確認を。

教育費の備えを始める前のチェックリスト

  • 積む目標を大学進学費用の一山に絞り、日常の塾代・習い事は月々の家計でさばく
  • 今の子どもの年齢から18歳までの残り年数を出し、必要な月額を逆算する
  • 絶対に要る土台は学資保険と預貯金で固め、上乗せ分だけNISAに回す
  • 給料日に別口座への自動積立を組み、「余ったら貯める」をやめる
  • 進学の2〜3年前から、増やす分を現金や値動きの小さい置き場へ寄せる
  • 制度の数値は改正で動くため、最新は公式情報や専門家で確認する

よくある質問

学資保険とNISA、どちらで教育費を貯めるのが正解ですか

一概にどちらが正解とは言えません。一般に学資保険は元本確保性と契約者の万一に備える保障が、NISAは長期運用による値上がり期待が強みとされます。両者は性格が異なるため、必要時期と許容できるリスクに応じた使い分けが現実的です。

NISAは元本割れの心配がありますが、教育費に使って大丈夫でしょうか

NISAは投資である以上、価格変動により元本割れの可能性があります。一般に、使う時期が近い資金ほど値下がり局面の影響を受けやすいため、進学が迫る分は元本確保性の高い手段に寄せ、時間的余裕のある分を運用に回す考え方が広く用いられます。

学資保険の返戻率が低いと聞きますが、それでも入る意味はありますか

返戻率は時期や商品で変わるため、最新は各社の試算や専門家へのご確認をお勧めします。一般に学資保険には、契約者に万一があった場合に以後の保険料が免除され満期金が受け取れる保障機能があり、この点を価値と捉えるかで判断が分かれます。

二つを併用する場合、配分の目安はどう考えればよいですか

画一的な正解はありません。一般に、確実に必要な大学入学時の費用は安全性を重視し、それを上回る上乗せ分を運用に振り向ける考え方が知られています。家計の貯蓄余力や他の備えとの兼ね合いもあるため、FP等への個別相談が有効です。

本記事は一般的な情報提供であり、個別の法務・税務・投資・医療上の助言ではありません。税率・控除・限度額・助成などの制度は改正により変わります。最新かつ正確な情報は公式機関の発表や専門家へのご確認をお願いします。

文・編集/世帯白書 編集部 ・ 監修:準備中(公開時に有資格者を明記します)

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